羽田空港 16:35発 --> 金浦国際空港 18:35着 (JL8833便)7月11日(土) (午前:晴れ、午後:曇り-> 雨)
金浦国際空港 19:20発--> 淸凉里(チョンニャンニ)駅 20:50着 (タクシー30,000ウォン)
淸凉里駅 21:10発 --> 南春川(ナムチュンチォン)駅 23:05着 (5,600ウォン)
春川泊 (オ・ヘヨン氏宅)
春川 近くで朝食後7:30発 --> 五台山上院寺(サンウォンサ)7月12日(日) (午前:豪雨、午後:雨-> 曇り)
五台山(オデサン) --> 桂芳山(ケバンサン)
チャンスハヌルソ定例会
桂芳山の民宿泊
民宿 11:00発 --> 春川7月13日(月) (午前:霧雨 -> 曇り一時晴れ、午後:曇り->豪雨)
春川泊 (オ・ヘヨン氏宅)
春川 10:30発 --> 京畿道河南市の山7月14日(火) (雨)
--> 京畿道高陽市イルサンのKINTEXで、世界蝶生態博覧会見学(一般の入場終了後)
金浦泊 (エアポート観光ホテル)
ホテル 11:00発 --> 金浦国際空港 (ホテルの車で約5分)
金浦国際空港 12:50発 --> 羽田空港 14:55着 (JL8832便)
1.いざ羽田へ
その週は、金曜の午後から火曜まで韓国へ行くため、溜まった仕事をこなすのに必死でした。それでもどうしても間に合わず、どう考えても全部片付けるのは無理。特許庁の期限のものを優先しながら・・・。
7月10日金曜日の朝、午後4時35分羽田発の飛行機に乗るため、2時には事務所を出る予定が、まだまだ仕事が山積み状態。とりあえずフル回転で片付けながら、間に合わない件は客先にお詫びの電話をして期限を延ばしてもらい、着替えをして2時半過ぎにやっと事務所を出ました。
事務所の前からタクシーに乗り、3時過ぎには国際線ロビーに到着し、ほっとひと安心。ここまで来たらジタバタしてもしようがないので、火曜日に帰るまでは仕事を忘れて思いっきり・・・。
登場手続きで並んでいると、JALの職員の女性が席だけ機械で先に手続きして来ますと、私のeチケットの控えとパスポートを持って行ったのですが、そのまま戻ってきて、カウンターでお話がありますのでとのこと。いろいろ考えてもそれほど悪いことはしていないはずなのに・・・だんだん不安になりましたが、カウンターでの手続きの順番がくると、「本日、エコノミーが満席のため、エグゼクティブクラスにお席を取らせていただきます。」とのこと。贅沢は敵だと思いつつ、席がないなら仕方がないか・・・(ラッキー)。
せっかくのエグゼクティブクラスでしたが、離陸するころにはそれまでの疲れでいつの間にか眠ってしまい。目が覚めると食事を配っていました。
2.金浦国際空港に到着
6時半過ぎに金浦空港に着陸。エグゼクティブクラスのため、優先的に降りることができ、入国審査も早々と済ませることができたのですが、荷物はエコノミーだったらしく、なかなか出てきません。あわよくば清涼里(チョンニャンニ)駅の20:20発の列車に乗れるのではと期待したのですが、無理でした。
空港で両替し(日本で両替するより10%近く得です)、予約しておいたレンタルの携帯電話を受け取り、タクシー乗り場へ。目的地の江原道春川市(カンウォンドーチュンチョンシ)までは、仁川国際空港から金浦空港経由のバスがあるのですが、1日数本しかなく、時間が合いません。タクシーは模範タクシーと一般タクシーがありますが、料金が倍違いますので、当然、一般タクシーに乗ります。
週末のソウル市内の渋滞のため、清涼里まで1時間半かかってしまいましたが、料金は3万ウォン弱でした。KORAIL(韓国の国鉄)は、インターネットからクレジットカードで予約することができ、念のため、21:10発と22:00発(清涼里から南春川まで5600ウォン)を予約し、窓口で22:00発をキャンセルしました。
3.春川へ
5年前初めて行ったときは、韓流の火付け役となった「冬のソナタ」に出てくる春川駅まで行けたのですが、今は春川駅は使われなくなり、南春川駅が終点となっています。清涼里から南春川までは約2時間です。
春川では昨年から蝶のことでいろいろ世話になっている呉(オ)さんの家に泊めてもらうことになっており、清涼里のホームから携帯で電話すると、到着予定の11時に南春川駅まで迎えに来てくれるとのこと。もっとも、晩11時に迎えに来てもらうのが、今回で4回目でしたが・・・
4.呉さんの家で
次の日は、呉さんが主宰するインターネット上の昆虫のカフェ(チャンスハヌルソ)の1泊2日の定例会があるため、その晩は、呉さんの家に参加者の一部が10人弱集まっていました。韓国南部の南海、蔚山、大邱、光州など、各地から集まって来ており、何人かは昨年の定例会でもご一緒した方たちでした。
呉さんは30代半ばですが、数年前に勤めていた証券会社をやめ、昆虫に専念するため春川に移り住んできたという人です。大規模な団地のアパートの1階に住んでいますが、家の半分が標本ダンスで埋め尽くされ、ベランダは蝶の飼育スペースになっています(韓国では、ベランダが開放されておらず、窓があるため、そのまま飼育スペースにすることができます。)。
5.Favonius koreanus Kim, 2006
呉さんとの付き合いは、Favonius koreanusという蝶の情報を探しているときに、呉さんの蝶のブログを見つけ、その後、彼の主宰するカフェに参加し、いろいろ情報交換をしたことから始りました。
韓国では、従来、固有種の蝶(その国にしかいない蝶)がなかったのですが、2006年に新種として記載されたこの蝶が、現在、唯一の韓国固有種となっています。
韓国名は(ウリノクセックプージョンナビ)です。和訳すると「私たちのミドリシジミ」となります。「ウリ」というところに固有種であることの意味が込められているように思います。
日本で新種の蝶が記載されたのは1957年のベニモンカラスシジミ Fixsenia iyonis (Ota & Kusunoki,1957)が最後で、土着の日本未記録種が発見されたのも1978年のゴイシツバメとヒメチャマダラセセリが最後ですから、2000年代になって隣の韓国でしかも人気の高いミドリシジミの仲間で新種が出たのは驚きでした。
実際、Favonius属の中では、形態的にも特異で、徐々に解明されてきた生態も他に類するものがない特異なもので、それがこれまで発見されなかった理由と考えられます。
呉さんは、昨年、アベマキの幹に産まれた卵を1卵発見し、初めての飼育に成功し、今年も数卵見つけて飼育しています。下の写真は飼育羽化したこの蝶を5月に呉さんのお宅で撮影させてもらったものです。
私も3月に、呉さんに卵が採れた場所に連れて行っていただき(昨年、成虫の時期にも連れて行っていただいていますが)、一緒に探したのですが、見つけることができず、呉さんのお宅で卵を撮影させていただきました。卵はアベマキの幹のコルク質の表面の窪みに産まれるため、同属の蝶の中でも最も見つけるのが難しいと思います。今年は複数の人が見つけていますが、トータルで20~30卵程度(あくまで勝手な想像です)ではないかと思っています。
5月には懲りもせず、野外で未発見の幼虫を見つけたいと思い、呉さんたちに雨の中、幼虫探しに付き合っていただきました。残念ながら、時期が合わなかったのか、時間が合わなかったのか、初記録となる幼虫は見つけることができませんでした(他の近似種の生態と、本種の幼虫の色彩からすると、終令幼虫は、朝、木の幹の下方へ降りて幹表面の窪みに潜んでいるだろう・・・と思っていたのですが、飼育中の終令幼虫を見せていただくと、クロミドリシジミやヒロオビミドリシジミが餌の枝を挿したペットボトルの下に降りるのに対し、この蝶の幼虫は新芽の近くで休んでおり、どうも幹へ降りて休む習性はなさそうです。)。
実は、この蝶は、比較的低標高の里山のようなところに生息しており、アベマキを食樹とすることや生態の特異性から、最近まで発見されなかったのですが、新種として発表されたのち、生息地が多数見つかっており、従来は、忠清北道の堤川あたりが南限でしたが、今年は大田(テジョン)からも発見されています。(大邱と勘違いしていましたが、正しくは大田でした。)
6.五台山(オデサン)へ
呉さんの家を、翌朝、7時に車3台で出発し、まず行きつけの食堂で朝食をとりました。私は全員来るものと思っていたら、他の2台が来ないので変だと思い聞いたところ、呉さんと私、それと私と同年代のお二人だけ、五台山経由で行くことになっており、他の若い連中は、直接、桂芳山(ケバンサン)へ向かったとのこと。
五台山には、Limenitis prattiという、韓国では五台山と雪岳山にしかいない珍しい蝶がおり、今回はその蝶の撮影(下の写真)が目的の一つでした。この蝶も韓国で人気のある蝶ですが、何故か昨年あたりからよく見られるようになり、それも上院寺という観光地の境内や駐車場にやってきます。
7.桂芳山での定例会
五台山での撮影後、桂芳山へ向かい、定例会の宿舎となる民宿に荷物を置いて、先に到着していた人たちと合流し、夕食時まで蝶の写真やビデオ撮影をしました。
韓国の民宿は、自炊できるように、キッチンに電気炊飯器や、コンロ、鍋、食器類が備えられているところが多く、若い人たちが夕食の準備をしてくれ、外の屋根つきのテーブルを囲み、楽しく夕食をとりました。そのあと、雨が降り始めましたが、甲虫類や蛾の夜間採集のセットをし、その近くで酒を交わしながらしばらく談笑しました。私たちは少し早めに部屋に戻りシャワーを浴びて、中で昆虫の話をしていました。若い女の子もいろいろ話しかけてきて、竹島や戦時中の慰安婦に関する鋭い質問もありましたが、一緒に写真を撮って楽しい時間を過ごしました。
部屋はキッチンのある居室の両側にそれぞれシャワーとトイレのついた部屋がありましたが、布団が足りなかったので、わたしも布団半分の雑魚寝状態で寝ました。というか朝起きたら同じ布団で隣に寝ている人がいました。
朝は雨がひどく外では食事できないので、起きた順に居室のテーブルで食事をとりました。朝から肉野菜炒め、キムチ、即席ラーメンとそれなりに豪華な食事になりました。
8.定例会後
定例会から豪雨の中を呉さんと、朴さん、私の3人で春川に戻りました。朴さんは、京畿道高陽市イルサンのKINTEXという展示場で6月末から2ヶ月間「世界蝶生態博覧会」という名前で昆虫の展示をするため、4月から呉さんの家で一緒に標本の準備をしており、5月のときも朴さんの済州島ナンバーの車でお世話になりました。展示会が終わると済州島に帰ることになっています。
翌日は午後からの天気が思わしくないので、Favonius koreanus は諦め、京畿道河南市の秘密の山へ行きました。ソウルからすぐのところですが、最近見つかった蝶の多い場所です。午後は予定どおり天気が崩れてきたので、イルサンの展示場を見学しました。最近、人気の子役を宣伝に使ったとかで、広告費で2000万ウォンかかったそうです。
実質的な運営は、智異山蝶公園という会社がやっており、見学後、近くのもと有名な俳優がやっている焼き肉の店でごちそうになり、その晩は金浦空港近くのホテルに送ってもらい、翌日、日本に戻ってきました。
2009年7月11日(土) |
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2009年7月12日(日) |
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